サイトの検索レポートを開くと、「初心者向けランニングシューズおすすめ」「マラソン用ランニングシューズ」「ジョギングシューズの選び方」など、何百もの検索クエリが並んでいることがあります。それぞれのクリック数だけでなく、最近、ランニングシューズというテーマ全体の成果はどうなっているのかを知りたい場面もあるでしょう。
Topic Clusters(トピッククラスター)は、同じテーマに関連する検索クエリをまとめ、グループ全体の成果を確認するための機能です。ばらばらに並んでいる検索クエリを分類し、それぞれのグループにわかりやすい名前を付ける仕組みと考えると理解しやすくなります。
この記事では、ランニング用品を紹介するサイトを例に、SEOを始めたばかりの方にもわかるよう、Topic Clustersの仕組みや作り方、分析に役立つ場面を説明します。
この記事に登場するサイトとデータは、計算方法や分析の考え方を説明するための架空の例です。実際のサイト成果を示すものではなく、アクセス増加を保証するものでもありません。
1. Topic Clustersとは?
ランニング用品を紹介するサイトを運営しているとします。ユーザーは、次のような検索クエリからサイトを訪れる可能性があります。
| ユーザーがGoogleで検索した内容 | 分析したいテーマ |
|---|---|
| 初心者向けランニングシューズおすすめ | ランニングシューズ |
| マラソン用ランニングシューズ | ランニングシューズ |
| ジョギングシューズの選び方 | ランニングシューズ |
| ランニングウォッチおすすめ | ランニングウォッチ |
最初の3つは表現が異なりますが、いずれもランニングシューズに関する検索です。これらを「ランニングシューズ」というグループにまとめると、SEO分析に使えるTopic Clusterになります。
ここでは、混同しやすい2つの言葉を区別しておきましょう。
- 検索クエリ(Query):ユーザーが実際に入力した言葉です。たとえば「初心者向けランニングシューズおすすめ」が該当します。
- 一致させる語句:テーマに該当する検索クエリを見つけるために設定する言葉です。たとえば「ランニングシューズ」「ジョギングシューズ」が該当します。
Google Search Consoleでは、検索クエリごとにデータが表示されます。alookのTopic Clustersでは、一致させる語句を含む複数の検索クエリをまとめ、自分が注目しているテーマ単位で全体の成果を確認できます。
2. Topic Clusterはどのように作られる?
作成の流れは、テーマを決め、一致させる語句を設定し、該当する検索データを集計するという3段階です。
ステップ1:確認したいテーマを選ぶ
まずは、サイトの主な商品、サービス、コンテンツの分野からテーマを選びます。
ランニング用品サイトなら、「ランニングシューズ」「ランニングウォッチ」「ランニングトレーニング」などが候補になります。最初は3〜5個程度に絞ると、成果を確認しやすく、必要に応じて調整もしやすくなります。
ステップ2:テーマに一致させる語句を設定する
たとえば、次のようなテーマを追加します。
トピック名:ランニングシューズ
一致させる語句:ランニングシューズ, ジョギングシューズ
トピック名は、自分がテーマを識別しやすくするためのラベルです。どの検索クエリをテーマに含めるかを実際に決めるのは、「一致させる語句」です。
alookでは、検索クエリに設定した語句のいずれかが含まれていれば、そのテーマに分類されます。複数の語句はOR条件で扱われ、英字については大文字と小文字を区別しません。
- 「初心者向けランニングシューズおすすめ」には「ランニングシューズ」が含まれるため、テーマに入ります。
- 「ジョギングシューズの選び方」には「ジョギングシューズ」が含まれるため、テーマに入ります。
- 「スポーツシューズおすすめ」には、どちらの語句も含まれないため、自動ではテーマに入りません。
一致させる語句は、実際の検索クエリを確認しながら選ぶ必要があります。「スポーツシューズ」と「ランニングシューズ」の意味が近くても、システムが意味や類義語を判断して同じ語句として扱うことはありません。
ステップ3:一致した検索データをまとめて確認する
同じ28日間の集計期間に、次のデータがあったとします。
| 検索クエリ | クリック数 |
|---|---|
| 初心者向けランニングシューズおすすめ | 120 |
| マラソン用ランニングシューズ | 90 |
| ジョギングシューズの選び方 | 60 |
| ランニングウォッチおすすめ | 80 |
「ランニングシューズ」テーマのクリック数は、次のように計算されます。
120 + 90 + 60 = 270クリックです。
「ランニングウォッチおすすめ」の80クリックは、このテーマには含まれません。
この270クリックは、もともと検索データに存在していたものです。テーマを作成すると既存のデータがまとめて表示されるだけで、新しいトラフィックが発生するわけではありません。
3. SEO分析でどのように役立つ?
テーマ全体が伸びているか、下がっているかを確認できる
検索クエリを1つだけ見ていると、全体の傾向を読み違えることがあります。
「ランニングシューズ」テーマについて、同じ長さの28日間を前後で比較してみましょう。
| 検索クエリ | 前の期間のクリック数 | 現在の期間のクリック数 |
|---|---|---|
| 初心者向けランニングシューズおすすめ | 80 | 120 |
| マラソン用ランニングシューズ | 60 | 90 |
| ジョギングシューズの選び方 | 80 | 60 |
| ランニングシューズテーマの合計 | 220 | 270 |
「ジョギングシューズの選び方」は80クリックから60クリックに減り、25%下落しています。一方、「ランニングシューズ」テーマ全体では、220クリックから270クリックへ約22.7%増えています。
1つの検索クエリが下がっていても、テーマ全体が悪化しているとは限りません。まずテーマ単位で全体の動きを把握し、その後で個別の検索クエリを確認すると、原因を調べやすくなります。
優先して確認すべき事業分野を見つけられる
サイト全体のクリック数が変わっていなくても、テーマ別に見ると大きな変化が隠れている場合があります。
| テーマ | 前の期間のクリック数 | 現在の期間のクリック数 | 変化 |
|---|---|---|---|
| ランニングシューズ | 220 | 270 | +22.7% |
| ランニングウォッチ | 180 | 130 | -27.8% |
| 合計 | 400 | 400 | 0% |
合計だけを見ると、サイトの成果は安定しているように見えます。しかし、テーマ別ではランニングシューズが50クリック増え、ランニングウォッチが50クリック減っています。
ランニングウォッチが主力商品なら、関連する検索クエリやページを優先して確認する必要があります。検索順位が下がっていないか、コンテンツが古くなっていないか、ユーザーの検索ニーズが変化していないかを調べてみましょう。
テーマ別のデータは、注目すべき方向を見つけるために役立ちます。ただし、具体的な原因を判断するには、検索クエリ、ページ、時期などもあわせて確認する必要があります。
コンテンツ施策を継続的に観察できる
「ランニングシューズの選び方ガイド」を更新し、初心者向けのシューズ選びに関する記事も追加したとします。その後は「ランニングシューズ」テーマを継続的に確認すれば、毎回多数の検索クエリを選び直す必要がありません。
テーマのクリック数が複数の期間にわたって増えているなら、更新したコンテンツの成果をさらに詳しく調べる手がかりになります。変化が見られない場合は、実際の疑問をコンテンツで扱えているか、ページが検索結果に表示されているか、順位が改善しているかを確認できます。
コンテンツの更新とクリック数の増加が同じ時期に起きても、更新が増加の原因だと断定はできません。分析するときは、季節性、キャンペーン、検索需要の変化にも注意が必要です。1回だけの変動から長期的な結論を出すことも避けましょう。
4. Topic Clustersが重要な理由
多くのサイトが達成したい目標は、特定の表現の検索クエリ1つではなく、商品、サービス、ユーザーの悩みといった分野に結び付いています。
レポートに1,000件の検索クエリがある場合、すべてを1件ずつ比較するのは大変です。重要なテーマに分けて確認すると、次の点を把握しやすくなります。
- どの分野で検索からのクリックが増えているか?
- どの分野が下がっていて、優先して調べる必要があるか?
- 最近コンテンツに力を入れた分野に、継続して観察すべき変化があるか?
テーマ別に分類すると、サイトの事業や運営方針に沿って分析できます。ただし、クリック数からわかるのは、ユーザーが検索経由でサイトを訪れたということです。その訪問が会員登録、問い合わせ、注文につながったかを判断するには、コンバージョンデータも確認する必要があります。
5. alookで始める方法
- あなたのサイトを開き、分析するサイトを選びます。
- SEOの概要でTopic Clustersを見つけ、トピッククラスターを追加をクリックします。
- トピック名に「ランニングシューズ」などの名前を入力します。
- 一致させる語句に「ランニングシューズ, ジョギングシューズ」などと入力します。複数の語句は、カンマまたは改行で区切れます。
- トピックを保存をクリックします。表が更新され、現在の期間におけるテーマのクリック数と、増加、減少、横ばいの傾向が表示されます。
どの語句を入力すればよいかわからない場合は、ダイアログ内のAI分析で追加をクリックできます。AIは、サイトに最近同期された検索クエリを参考にトピック名と一致させる語句を生成し、新しいテーマを直接保存します。既存のテーマはそのまま残り、重複する提案はスキップされます。
AIによる提案が自分の事業に合っているかは、確認が必要です。後から名前や一致させる語句を変更したり、テーマを削除したりする場合は、SEOの概要の該当する行で編集をクリックします。テーマに関する操作は、すべてここで行えます。
利用できる検索データがまだない場合は、先にサイトを同期することも、テーマを手動で作成することもできます。
まずは、特に重視している事業分野を1つ選んで始めてみましょう。しばらく観察した後、実際の検索クエリを確認しながら、一致させる語句を追加したり、対象範囲を狭めたりできます。
ブログ記事全体や特定の商品ページなど、ページの種類ごとに成果を確認したい場合は、Content Groups(コンテンツグループ)を利用できます。Content GroupsがページURLを基準に分類するのに対し、Topic Clustersは検索クエリを基準に分類します。
6. 利用前に確認しておきたいこと
テーマを追加すると検索順位は上がりますか?
テーマを追加しても、変わるのはデータの分類方法だけです。ページの内容、検索順位、クリック数が直接変化することはありません。改善が必要な分野や、継続して観察すべき分野を見つけるために利用します。
1つの検索クエリを複数のテーマに含められますか?
含められます。たとえば、「ランニングシューズ」テーマに「ランニングシューズ」を設定し、「マラソン用品」テーマに「マラソン」を設定した場合、「マラソン用ランニングシューズ」は両方のテーマに入ります。テーマ同士は重複する可能性があるため、すべてのテーマのクリック数を単純に合計して、サイト全体のクリック数として扱うことはできません。一方、同じテーマ内で1つの検索クエリが複数の語句に一致しても、その検索クエリは1回だけ集計されます。
新しく作ったテーマが0クリックになるのはなぜですか?
まず、選択した期間内に、一致させる語句を含む検索データがあるか確認してください。次に、設定した語句がユーザーの実際の検索表現をカバーしているか確認します。トピック名だけを入力し、有効な一致させる語句を設定していない場合も、意味のある集計はできません。
また、Search Consoleではプライバシー保護のため、一部の検索クエリが表示されません。検索クエリのデータは、利用可能なデータ範囲にも制限されます。そのため、表示されている検索クエリをもとに集計したテーマのクリック数が、サイトのすべてのクリックを網羅するとは限りません。詳しくは、Google Search Consoleの検索パフォーマンスレポートに関する説明をご覧ください。
まずはサイトにテーマを1つ追加してみましょう。重要な分野を選び、よく使われる一致させる語句を設定すると、過去28日間の検索パフォーマンスをテーマ単位で確認できます。
